崩壊現場

きのうの夜、古くからの友人にあった。ひとりで設計事務所を営んでいる。ほとんどの業務を府から発注される仕事に彼は頼っている。だが仕事の内容は、設計事務所とは名ばかりの、現場調査や現場監理といったものがほとんどだ。いまでは末端の多くの設計事務…

起爆地帯

大国町このブログを始めた日に取り上げた獅子舞台のある八坂神社は、このすぐ北側にあり、大国主命の父、スサノオを祭っている。今回の写真には入っていないが、当然、この近くに大国主神社があり、また少し東側には今宮戎神社や恵美須町という名の路面電車…

失われた暑さを求めて

電気トンボ 小学生から中学生の頃、私の日常の行動圏の中に、仁徳、応神に次いで三番目の大きさの履中陵があった。あの頃、宮内庁も現在のようには厳重な整備も行わず、堺市に散在する古墳群の多くはいわば放置状態のようになっていた。堀を囲む堤は住民たち…

ヘンリー・シルヴァの含み笑い

今日の午後、勉強をするために近くの図書館に歩いて出かけた。貸本屋さん(というのは今でもあるのかな)を大きくしただけのような、すごく庶民的でこぢんまりとした図書館だった。涼しくて静かで仄暗く、とても居心地がよさそうだった。けれど空いている席…

猫たち

今日は娘に面会に行ってきた。 いつも大体そうだが、眠ってばかりいた。ただでさえ顔や手足の作りがとても小さいので、いつまでたっても私には中学生ぐらいにしか見えない。岡山の病院の看護師や理学療法士も、みんな娘のことを年下の妹のようにちゃん付けで…

新世界への帰還

受験者は、欠席者もちらほらいたようだが、事前に担当の人から教えられていたように、優に100名は越えていた。私を除く最年長者は、どう勝手に都合よく判断しても、私の年齢の半分を少し超えたかどうかというような若者だった。直前まで必死に勉強してい…

ベストとモスト

いよいよ5日の試験まで切羽詰まってきました。今日は昨年の10月6日の日記をほとんどそのまま再録することにします。ただし、後の日記で訂正することになる文章も含まれていますが、恥を晒すつもりでそのままにしておきます。若干の写真の入替えとタグを…

オロロン逍遙

ある日、オロロンの街を歩いていると、カフェテラスのようなところで日本人のおばさんが何人か固まって休憩していた。こんなところにも、と思いながらも、観光ですかと話しかけると、チガイマス!スケッチ旅行です!とひとりのおばさんが、いかにも観光旅行…

奇跡のイザンベール

たとえ最初からあらゆる情報を集め、チェックし、入念に準備していたとしても、何の情報も持たず準備もせず、いくつものあり得ない偶然の所産によって私が辿り着いたこのイザンベール邸で得ることになった体験を、決して越えることはなかっただろう。 このオ…

ピレネー北麓

勉強が一向に捗らない。 もしかすると走り高跳びでいうと5メートルぐらいの高さのバーを越えようとしているのかもしれない。それなら勉強するだけ無駄だと思い、妙に安心してもっとさぼってしまう。 ピレネー北麓は、3ヶ月にわたる旅でも、最も美しく、最…

オルレアン ルルド

8月5日のために勉強をしなければならないのに、いま22時半、今日もまだ何もやっていない。さっきまで雑用に追われていた(ような気がするだけかもしれない)。 昨年、私がピレネー越えをしたコースと同じところを辿りたいという女性から先日、日記のコメ…

逃避と弁明

今日は朝から用事があった。昼過ぎにも来客があり、その人物が帰った後、さてどこかに出かけて写真を撮ろうと思ったが、窓の外がいつになく暗く、やがて、ニュースでも伝えられたように大阪でも凄い雷雨が始まった。夕方からまた出かける必要があり、だから…

あっついやんけぇ

In the heat of the night (あっついやんけぇ) Seems like a cold sweat (汗が目に入って) Creeping cross my brow, oh yes (しみるやん) In the heat of the night (ああ、あっつい) I'm a feelin' motherless somehow (お母ちゃんのこと、思い出し…

終わらない正午

先々週に摘み取った紫蘇の葉で漬け込んでおいた梅と紫蘇を、今日は土用干しするため、また子供たちとボランティアの労務者たちが集まった。子供たちが20名ほど、ボランティア、関係者を含めて大人が15名ほど。 紫蘇を絞り、梅を取り分ける人(これは大人…

転院と再々会

転院した娘の部屋は、今までの岡山県の病院とは大違いだ。今度は4人部屋。今までは入院患者50名全員のベッドが間仕切りのないワンフロアーに収められていた。つまり、看護師全員が、全患者を常に見渡せるようになっていて、しかも実にゆったり広々として…

徒歩5分圏その3

朝は別にして、昼と夜をすべて外食にしても、1年間ぐらいは同じものを食べずに過ごすのも簡単と思えるような場所に住んでいるので、これは本当に辛い。 などと、昨年、サンティアーゴ巡礼をしていたときの日記に書いてしまったが、本当にそんなことが可能な…

悪の枢軸を行く

悪の枢軸とは何ごとかと思われるだろうが、そもそも、いつかは自分のような者でもこういうことを始めなければと、義憤に駆られていた二つの建物について書く。 実はこれもいわゆるディープサウスと称される場所ではないが、満を持して書く。(これからも満を…

地図にない街

ディープサウスでも、ある意味、最もディープな場所。 というより、おそらく日本で最もディープな場所といってもいいのかもしれない。 光の強さ、この暑さから、今日はここしかないと出掛け、写真を何枚も撮った。おおむねのところを調べようと思って後から…

建築になったオヤブン

頭にバンダナを巻いたような人から、本人とよく似た、いかにも田舎のおじさんといったタイプの人まで、実に多くの人たちが列席していた。仰々しそうな感じの人はひとりもいなかった。あんなに多くの大人の男が涙を流している告別式は初めてだった。 無骨な岩…

自転車10分圏

今日はどこへ行こうかとカメラを持って外に出たとたん、あまりの暑さに、これはたまらん、今日はここしかないと逃げ込んだ。 鶴見橋商店街。 大阪ではなんといっても天神橋筋商店街(余談だが、テンジンバシスジロクチョウメという長ったらしい名の地下鉄の駅…

徒歩5分圏その2

たぶん20年以上前になると思うが、初めてこの界隈に足を踏み入れたとき、10台ほどしか並んでいないパチンコ屋が何軒もあって、しかも客らしい人も一人もいず、こんなもので商売になるのかとビックリしたことがある。すぐにパチンコ台のショールームだと…

死につつある御堂筋

ディープサウス通信といいながら、今日はちょっと用があり、越境してミナミの南端部に出かけた。ので、今日はミナミ通信。 大阪で最もオーソドックスと言われてきた御堂筋の景観が、いま、あちこちでほころび始めている。 7月14日の「いきなり」というエン…

徒歩5分圏

この場所に移ってきて数年になるが、今日初めてこんな寺があったことに気がついた。カメラを手にするとこんなにもものの見方(見え方)が違ってしまうのかと自分でもビックリした。 この路地も上に同じ。なかなかええ感じ。 黄檗宗慈雲山瑞龍寺 通称鉄眼(て…

岡山最後の日

今日は岡山県の病院に入院している娘に面会に行く最後の日だった。来週は次の愛知県の病院に転院する。もう3年間、娘は家に帰っていない。3年前の深夜、東京で交通事故に遭い、最初に搬送された大学病院の、そのICUから一度も出ることなく5ヶ月、それから…

いきなり

とにかく、事件の多いところ。近くの神社で祭りがあるというので急に思い立ち、写真日記でも始めてみようとカメラを持って出かけたら、いきなりこんな色めき立った光景が。 難波八阪神社の夏祭り。昨年もこの近くで二人姉妹が殺されるなど、やたら殺伐とした…

始めました

argonです。 Hatenaで写真日記というものを始めてみようと思います。