2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

カラオケとフェルメール

天王寺公園。 さまざまに複雑な思いが交錯する、私にとって取り上げるのがとても悩ましい場所だ。 大学生になって通学のため大阪市を縦断するような生活をし始めてから、何度かこの公園内を歩いてみる機会があった。大声でガマの油売りの口上を述べる者や、…

雲助街道を行く

30年ほど前、この道のことを雲助街道と呼ぶと友人に教えられた。教えてくれたのが少々虚言癖のある男だったので、本当かどうか疑わしかったが、まさにその言葉通りのイメージだったので、それ以降、私はこの道を必ず雲助街道と呼ぶことにしてきた。頻繁に…

果実たち

今日は運転免許証の更新の手続きをしてきた。いままでは堺市の光明池運転免許試験場に行っていたが、即日交付でなければどこの警察署でもいいというので、西成署を選んだ。なぜわざわざこの署に手続きに来たのかなどと尋ねられるかもしれないと思い、脳内で…

ミナミ逍遙

大阪で一番うまい光景。というのはちょっと言い過ぎかもしれないが、食欲がなくなって何も食べる気がしなくなると私はこの店に来る。カレーについては各自いろんな蘊蓄や好みはあるだろうが、私は文句なしにここ。という人はおそらく大阪中に無数にいるはず…

下寺町

先週の木曜日午後、金沢に向かった。ホテルにチェックインし、試験会場の下見をした後、市街を少し歩き回った。金沢は5年ぶりぐらいだったが、仰々しく荒んだ光景ばかり目の当たりにさせられる大阪とはまるで別種の都市だった。豊かでありながらもしっとり…

猫たちその2

22日の試験までいよいよ切羽詰まってきた。というほど大袈裟な気分ではない。だがやらなければならないという気持ちもないわけではない。だからといって受かる確率が限りなくゼロに近いということにもちろん変わりがある訳でもない。とはいえ競争率2.5倍…

花たち

ここ数日、先日の図書館に行って勉強するというような習慣が身についた。というよりも身につけようと努力しているといった方が正確だ。夜、あまり眠れないので、頭の芯にどうしようもない眠気のようなものが残っていて、しかも図書館の居心地がよく、すぐに…

崩壊現場

きのうの夜、古くからの友人にあった。ひとりで設計事務所を営んでいる。ほとんどの業務を府から発注される仕事に彼は頼っている。だが仕事の内容は、設計事務所とは名ばかりの、現場調査や現場監理といったものがほとんどだ。いまでは末端の多くの設計事務…

起爆地帯

大国町このブログを始めた日に取り上げた獅子舞台のある八坂神社は、このすぐ北側にあり、大国主命の父、スサノオを祭っている。今回の写真には入っていないが、当然、この近くに大国主神社があり、また少し東側には今宮戎神社や恵美須町という名の路面電車…

失われた暑さを求めて

電気トンボ 小学生から中学生の頃、私の日常の行動圏の中に、仁徳、応神に次いで三番目の大きさの履中陵があった。あの頃、宮内庁も現在のようには厳重な整備も行わず、堺市に散在する古墳群の多くはいわば放置状態のようになっていた。堀を囲む堤は住民たち…

ヘンリー・シルヴァの含み笑い

今日の午後、勉強をするために近くの図書館に歩いて出かけた。貸本屋さん(というのは今でもあるのかな)を大きくしただけのような、すごく庶民的でこぢんまりとした図書館だった。涼しくて静かで仄暗く、とても居心地がよさそうだった。けれど空いている席…

猫たち

今日は娘に面会に行ってきた。 いつも大体そうだが、眠ってばかりいた。ただでさえ顔や手足の作りがとても小さいので、いつまでたっても私には中学生ぐらいにしか見えない。岡山の病院の看護師や理学療法士も、みんな娘のことを年下の妹のようにちゃん付けで…

新世界への帰還

受験者は、欠席者もちらほらいたようだが、事前に担当の人から教えられていたように、優に100名は越えていた。私を除く最年長者は、どう勝手に都合よく判断しても、私の年齢の半分を少し超えたかどうかというような若者だった。直前まで必死に勉強してい…

ベストとモスト

いよいよ5日の試験まで切羽詰まってきました。今日は昨年の10月6日の日記をほとんどそのまま再録することにします。ただし、後の日記で訂正することになる文章も含まれていますが、恥を晒すつもりでそのままにしておきます。若干の写真の入替えとタグを…

オロロン逍遙

ある日、オロロンの街を歩いていると、カフェテラスのようなところで日本人のおばさんが何人か固まって休憩していた。こんなところにも、と思いながらも、観光ですかと話しかけると、チガイマス!スケッチ旅行です!とひとりのおばさんが、いかにも観光旅行…