自転車10分圏
今日はどこへ行こうかとカメラを持って外に出たとたん、あまりの暑さに、これはたまらん、今日はここしかないと逃げ込んだ。
鶴見橋商店街。
大阪ではなんといっても天神橋筋商店街(余談だが、テンジンバシスジロクチョウメという長ったらしい名の地下鉄の駅がある)が有名だが、ここもなかなかのもの。
国道26号線の入り口から新なにわ筋(津守あたりから堺までのこの新なにわ筋を雲助街道と呼ぶと聞いたことがある)まで優に1キロ以上はあるだろう。
入ってすぐの店にこんな手書きの張り紙が。暑さで頭がかすんでいて、しかも張り立てのように見えたので、はて、成人式はこんな時期だったかと一瞬思い込んでしまった。オサレな場所では絶対に味わえない都市的シュール・レアリスム。
世界につながる鶴見橋商店街。
こういう種類の店は他にも何軒もあったが、ここだけが飛び抜けて力が入っていた。他はどこも極めておとなしく、慎ましく。
中古カメラ店。というよりカメラ専門の骨董品店。というよりほとんどカメラ古物商。ライカやローライフレックスと並んで、フジカ、ヤシカなどという懐かしい名や、ビューティフレックス、ピジョンフレックスなどという名の縦型二眼レフカメラも。それを写しているのが最新式デジタル一眼レフカメラ。
ポケットパークというのは大学の建築教育の2年生あたりでよく出される課題で、ここもそういう風に凝ろうとすればいくらでも工夫はできる空間だが、特に何もしなくてもちゃんと憩いの広場として機能している。労務者風の人たちが何人か休憩していた。ただこんな張り紙が。↓
という名の公園なのであった。アルコール禁止公園という別名もつけられていた。
カメラを持っていれば誰でも狙いそうなこのような横町が、この商店街にいっぱい通じている。
通天閣下(もちろんツウテンカッカではなく、ツウテンカクシタ)のジャンジャン横町の碁会所は有名だが、こんなところにもあった。店番のお婆さん以外、おそらく過去にも未来にも、絶対にひとりとして女性の影さえなさそうな気配。
そんなに御丁寧に謝っていただくほどのことではございません。(そんな丁寧に謝ってもらうことやおまへんがな。)
韓国の人たちも多く住んでいる地域なのでこんな店も。横町の入り口にあった同じような店で韓国式のり巻きを買っていると、5歳くらいの男の子が、アネハセヨーと大きな声で店のおばさんに声を掛けながら走り抜けていった。
中はがらんとした部屋で、ここで自由に煙草を吸えということだろう。そうだ、10数年前から私は煙草を吸うのを忘れてしまっていたのだった。煙草を吸わなくなると本当に物覚えが悪くなる。明日はぜひここに来て、あの魔力を帯びた美味しさを思い出さなければ。
バレエ教室。たぶん元はパチンコ屋か何かだったのを転用しているのだろう。さっきの碁会所で碁を打っていたお爺さんの孫娘なんかが通っていたりして。今日は休みと玄関に張り紙がしてあった。東京の自由が丘あたりにあるトッテモオサレな教室と、ここで同じ種類の行為が行われているなんて。負けるな、鶴見橋!
今日のYouTube
Drifters 「Under The Boardwalk」
(明日とあさっては名古屋のオヤブンのお通夜と告別式に行きます。あさってはもしかすれば更新できるかもしれません。)